当記事では『エルデンリングDLC』のネタバレがあります! ご注意ください!
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オデ、イエティ。
今回は『エルデンリングDLC』の考察をしていきます。




お題は『流紋と鍛冶』について。



画像引用元:エルデンリング 公式様 スクリーンショット
流紋文字とは



DLCで登場した新カテゴリの武器、「流紋武器」。これらの武器は特殊な仕様を持ち、近接武器でありながら投擲攻撃が可能となっている。今回は影の地の鍛冶遺跡と関連深いこれらの武器、そして流紋技術や鍛冶について掘り下げていく。
まず流紋武器の由来について。



流紋武器には流紋文字が刻まれている。流紋武器と呼ばれる所以は、流紋が刻まれていることから。そしてこれらの文字は、鍛冶術によって刻字されたものである。
鍛冶術のタリスマンにはこう書かれている。



古い鍛冶ハンマーを象ったタリスマン。
流紋文字が刻まれている。
古では、鍛冶とは神事であった。
鍛冶師は、溶鋼に刻まれた皺に文字を見出し、武器の魂を固着させたという。
このタリスマンでは流紋武器の起源が語られている。流紋文字は溶鋼に刻まれた皺を、文字としたもの。そして文字に武器そのものの魂を固着する。流紋武器が投げられても使用者の手元に戻るのは、武器の魂を握っているためなのだろう。
流紋武器は幾つかあるが、手元に生成される際の演出がそれぞれ少しずつ異なっている。基本の流紋シリーズは火の粉と共に生成されるが、一部の流紋武器はまた別の演出で生成される。



ちなみに流紋の短剣によれば、武器の質量は流紋技術に影響してくるようだ。質量を抑えることで、鍛冶術の効果を高め。とあるので、軽ければ軽いほどに流紋武器として効力が発揮できるのだろう。



現実に流紋岩という火山岩が存在するが、流紋は溶鋼から見出されたものとされている。溶鋼に刻まれた皺、というのは何のことなのだろうか。これは夜の剣士シリーズから推察することができる。
夜シリーズの防具にはこうある。



その表面には、指紋にも似た流線が刻まれ。
夜シリーズは背中に五指の意匠があることからも、「指」との関連性が伺える。



そして夜の剣士アンナの武器である、夜の爪は流紋武器となっている。流紋文字が刻まれており、強攻撃で、三本の爪全てを投擲する。この事から「指紋にも似た流線」とは、「流紋」のことを指していると考えられる。



指の母メーテールなどのテキストにも「皺」という言葉が出てくる。皺を文字とした鍛冶技術は、古の時代の
指たちを由来に生まれたのだろう。
また、違った由来ではあるが指紋が刻まれた武器としては指紋石の盾が存在する。大いなる意志の使いである指たちの
指紋が強力な力を付与するのは、この世界観にとっては当然なのかもしれない。
影の地の鍛冶技術



続いて影の地の鍛冶について掘り下げていく。実は串刺し公メスメルの得物である串刺し公の槍は流紋武器である。
影の地の鍛冶術により鍛え直されており、
通常、ダッシュ、騎乗の強攻撃で槍を投擲する。
メスメルの無数の槍を生み出す攻撃などは、この鍛冶技術によって複製された槍となっている。メスメルの火を起こして影の地を焼き払ったメスメルだが、その影の地の鍛冶技術を柔軟に取り入れている。



元より鍛冶技術は角人だけの文化というわけではないようだ。鍛冶遺跡には「鍛冶の祭壇」という場所が隠されている。
溶岩筒の鍛冶遺跡の霊体はこう言っている。
…もう、石漁りは飽き飽きだ。
きっと、俺が見つけてみせる、
鍛冶の祭壇を…。
この角人の霊体は鉱石を漁るのが生業だったのだろう。レアルカリアにおける輝石の採掘のように、身分の低い者たちの行いだったのだろうか。鍛冶の祭壇はそれぞれの遺跡のギミックを解かなければたどり着けないため、巧妙に隠されていたことが伺える。



鍛冶の祭壇で見つかる鍛冶床ハンマーは、古では神事に用いられたという。影の地において鍛冶は神事に通じていた。
鍛冶遺跡の鍛冶ゴーレムたちは、おそらく神事を守るために配置されているのだろう。



鍛冶ゴーレムの遺灰テウルは、鍛冶の守り神であるという。鍛冶ゴーレムは結晶投げ矢によって混乱するので、
人の手によって造られ配置されているのだろう。
この他にも鍛冶に関連していると思しき描写は幾つかあるので紹介していこう。



ラウフの古遺跡に佇んでいる、影の地唯一の坩堝の騎士デボニア。彼の兜は「槌兜」という槌を模したもので、彼の武器も大槌である。坩堝の騎士は自らの武器ではなく、より大きな象徴を兜に象る。例えばオルドビスは剣ではなく、斧(ゴッドフレイの象徴)」を。シルリアは槍ではなく、「樹(黄金樹の象徴)」を。
同様に、説明はないもののデボニアが槌を象っていることには意味があるのだろう。



最後になるが、エルデンリングという物語の始まり、エルデンリングを砕いたのも槌である。このマリカの槌はエルデンリングを砕くためにマリカが振るい、後にエルデンリングを直すためにラダゴンが振るった。この正反対の行動を取りながら重なり合う両者は、OPから示されていた重要な伏線でもある。



このマリカの槌は、狭間の外、稀人の地で作られたという石槌である。明言はされていないがマリカの故郷が巫子の村であることを考えれば、マリカの槌は影の地で作られたことになる。
かつて鍛冶は神事に通じていた。そして、鍛冶に用いる槌を神職たる巫子であるマリカは持っていた。鍛冶床は神事の祭壇とされ、槌は巫子の持つ祭具である。そう捉えると鍛冶という文化はもしかしたらマリカにとっても親しみ深いものだったのかもしれない。
というわけで、今回は流紋武器と鍛冶について掘り下げていった。地味なところではあるが、情報が多いため世界観的には重要な文化だと考えられる。では、おつかれさまでした。





