【エルデンリングDLC】地下墓の番人 インプと還樹の番犬について【考察】

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当記事では『エルデンリングDLC』のネタバレがあります! ご注意ください!

↑ゲーム考察チャンネルを始めました。記事をもとにエルデンリングの考察をやっています。

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オデ、イエティ。
今回は『エルデンリングDLC』の考察をしていきます。

お題は『インプと還樹の番犬』について。

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目次

インプとは

狭間の各地で見つけられる地下墓。地下墓は黄金樹の民が眠るための場所であり、守護られなければならないもの。
民たちが安心して樹へと還るためには、墓所を眠る番人が必要だ。

かくして地下墓に眠る宝を求める褪せ人たちは、地下墓の番人であるインプと日夜戦いを繰り広げているのである。

地下墓で必ずと言って良いほど見かけるインプ。彼らは小柄な石像のような姿をしている。小さな羽と尻尾が生えたインプらしい要素もあるが、その頭部は多彩で、どれも一見の価値がある。

一見するといかにも弱そうだが、悪辣な配置や擬態といった地の利を活かして襲い来る、侮れないエネミーとなっている。インプは地下墓地の他、王都ローデイルの屋根上や忌み捨ての地下などにも出没する。王都の屋根上にいるということは、もしかしたら王都の民にとっては身近な存在だったのかもしれない。


インプは非常に滑らかに動くが、非生物だ。人が作り出したゴーレムとなっている。

ゴーレム技師が用いたという、結晶投げ矢はインプのような一部のゴーレムには特殊な作用を発揮する。結晶投げ矢を複数回投げつけることで、インプ、そしてインプの親玉である還樹の番犬は混乱する。混乱状態にある敵は同士討ちを始めるので、複数体のインプに困っている場合は使ってみると良いだろう。

インプには種類があり、牙鬼亡者舌鬼長老獅子大口8種類。うち大口以外には装備できる兜があり、牙鬼と大口インプには遺灰が存在する。何気に一般エネミーの中では破格の待遇と言えるだろう。

インプの由来

お借りした素材:素材屋『氏』 様 「インプ」

さて、エルデンリングのインプなのだが、一般的に知られているインプとはかなり異なった印象を受ける。一般的にインプと言えば、角の生えた小鬼にコウモリの羽と尻尾が生えている……といったイメージだろう。

一方でエルデンのインプは猫だの狼だのかなり自由。そして非生物のゴーレムである。
これはどういうことだろうか。

そもそもインプは「インペット(挿し木)」という言葉からきている。挿し木は種から育った訳でもなしに実をみのらせる。これには魔術的な意味があるとされ、インプの由来となった。そして、実はインプは元々悪魔ではなく「妖精」である。後に悪魔だとされ、角やコウモリの羽が付け加えられるようになった。


これを踏まえて考えると、エルデンのインプは妖精と悪魔を合わせたような印象を受ける。様々なモチーフをデザインとする点や、魔術的要素を備えているのは妖精から。また、石の肌を持った小悪魔である点は14世紀のイングランドの伝説を彷彿とさせる。

その伝説というのは「リンカン小悪魔(Lincoln Imp)」というもので、リンカン大聖堂でイタズラをし始めた
インプが、天使によって咎められて石とされたという伝承だ。実際にリンカン大聖堂には石に変えられたインプが
残っている。

エルデンのインプは石の肌を持っており、石のインプという点が似通っている。またリンカン小悪魔に限らず、
インプなどの小悪魔は2匹で行動した、という伝承が多い。

エルデンのインプで言えばしろがねの魔術師塔のギミックは、2匹のインプが鍵となっている。また、石剣を刺すインプの石像も2匹のインプが象られている。こうした様々なインプの伝承を知ると、エルデンのインプもさほど突飛ではないと言えるのかもしれない。

……一部例外はあるけど。

インプの装備について

さて、ここからは全てのインプについて軽く触れていく。まずはインプからのドロップや探索で入手できる、
インプの兜について。これらのインプ兜は全て、インプの頭部をそのまま被ったものらしい。

牙鬼インプ。一番インプらしい、角と牙のある小鬼のデザインをしている。

狼インプ。インプの親玉である還樹の番犬を模している……わけではなく、あくまで狼。

猫インプ。言うほど猫か?

PS5版で入手しておらず、灰都前の王都でのみ入手なので
撮影はPC版にて行った。屈辱。どうして取っておかないのか! もう!

亡者インプ。薄ら笑いを浮かべた亡者の顔だが、なぜこのデザインにしたのだろうか。

舌鬼インプ。インプの武器、二又のインプ舌が特徴的となっている。

長老インプ。老いた顔のインプが象られている。

獅子インプ。ポ、ポンデライ……ウウン。獅子インプはDLCの追加エネミーである。影の地の先住民族である角人が
獅子を信仰していることはデザインと関係しているのだろうか。

大口インプ。その特異な頭部ゆえか兜は存在しない。大口を開いて自らの手で固定しており、その口は竜を象ったものだという。

遺灰によれば古いインプらしい。これは他のインプよりも歴史が古い、という意味だろう。影の地が狭間の地より文化的に古いことが関係しているのか。

次にインプたちがドロップする武器について。全ての武器の説明に奇妙な得物と書かれており、実際に変わった見た目の武器となっている。見た目の共通点としてはインプの舌が挙げられる。


二又に分かれた舌を象った意匠はインプの舌と呼ばれているらしい。インプの舌が何のために分かれたものなのかは不明。二枚舌は矛盾や嘘を吐くことを指すが、インプのイタズラと掛けているのだろうか。

ちなみにDLCで追加された二つの新武器にもインプの舌がデザインされている。片方は大トカゲの二枚舌を、片方は竜を象ったものに二枚舌がついている。どうやらインプの舌は蛇の二枚舌ではなく、トカゲの二枚舌にルーツがあるようだ。

しかしインプの舌とトカゲや竜の二枚舌との間に関係を見出すことは現状できていない。そもそもエルデンにおいてあまりトカゲというモチーフは見られない。

還樹の番犬

最後にインプたちを率いる長である還樹の番犬について。

番犬は、インプたちを率いる長であるという。
永き年月に劣化し、ガタのきた、地下墓地の王だ。


還樹の番犬はその名の通り黄金樹の民の眠り、還樹を守るためのゴーレムだろう。インプたちを率いているとされるので、還樹の番犬とインプは共に地下墓を守る存在と考えられる。

しかし還樹の番犬は永い年月で劣化しているという。実際に還樹の番犬には個体ごとに劣化の差があり、見た目には差がある。劣化の無い番犬は三つの頭と蛇のたてがみ、竜の尾を持っている。この特徴からして地獄の番犬ケルベロスをモチーフとしているのだろう。

重量級の攻撃と様々な属性の攻撃を使い分け、動きの割りに器用な番犬だが、その警備能力は疑わしい。何故なら番犬の大剣にテキストによれば、盗掘によって番人の瞳が盗まれてしまっているからだ。

ちなみにもう一つの番犬武器である番犬の錫杖には、ちゃんと輝石のような石がはめ込まれている。番犬やインプといったゴーレムは魔術により動いているため、輝石は意味があってはめ込まれているのだろう。


しかし還樹の番犬を掘り下げる二つの武器のテキストでは、どちらも番犬の存在があまり役に立っていないことを示している。歳月によって劣化したインプの王の憐れさを語っているのか。そもそも還樹というのはそうまでして守るものだったのか。

様々な謎を抱えながら、インプたちは今日も地下墓で褪せ人の到来を待ち望んでいる。
というわけで今回はここまで。謎のバリエーションを誇るインプたちの大特集でした。おつかれさまでした。

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