Returnal(リターナル)ストーリー考察 セレーネの家族関係

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オデ、イエティ。今日はPS5ソフト『Returnal(リターナル)』の考察をするよ!

ネタバレ注意!

今回はPS5ソフトのリターナルの考察だよ! 年末めちゃくちゃハマって遊んだゲームなんだけどストーリーがわかりにくいんだよね。

公式の売り文句では「ループの謎を解き明かせ!」なんて言ってますが、とてもじゃないけどプレイヤーに考察させる気がない複雑さ。主人公のセレーネおばさんも妄言ポエムを吐き散らしてアテにならないし、考察をするには不親切なゲームです! が、やりたくなったのでやってみます。拙い考察になると思いますがご容赦ください。もちろんネタバレあり。

惑星アトロポスとセレーネについて同時に語るとワケわかんなくなるので、とりあえず今回の記事では主人公であるセレーネ・バッサスとその家族について掘り下げ、セレーネとその家族の過去に何があったのか? ということを主軸に考えていきます。

まずはセレーネに起きたであろう出来事を時系列順に書き、それぞれの謎について考察していこうと思います。

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目次

セレーネの過去

母テイアと父の間にセレーネ・バッサスが生まれる。

セレーネは宇宙飛行士であるテイアによって宇宙に関する英才教育を受けていたが、本人から宇宙への関心は薄かった。

ある日、テイアが運転する自動車がセレーネを乗せて運転しているときに事故が起こった。テイアは脊椎に大けがを負い、セレーネは奇跡的に無事だった。

テイアは脊椎に負った大けがで下半身不随となり宇宙飛行士という大仕事を断念せざるを得なくなる。この後テイアとセレーネの関係は悪化し、セレーネは虐待されるようになった。

テイアは病院へと入院しセレーネは定期的に見舞うが両者の関係は良くならない。この間にセレーネはパートナーを見つけて妊娠する。一時は仕事への影響を考えておろそうかと考えるが、子どもがほしかったので最終的には生む決断をした。生まれた男の子にはヘリオスと名付けた。

この後にセレーネはパートナーと別れてシングルマザーとなる。テイアは治療の方法なく、退院して実家で療養を始める。セレーネは一人でヘリオスを育てる中でテイアの世話もしなければならず、精神的に疲弊していく。

セレーネが限界に達し、テイアを地下室に閉じ込めて家に火を放つ。家は全焼し、テイアは死亡した。この時のセレーネは錯乱状態で発見された。

セレーネがヘリオスを乗せた車を運転中、進路上に突然宇宙飛行士が現れたことで事故を起こしてしまう。セレーネはヘリオスを救助しようとするが失敗し、ヘリオスは行方不明に。セレーネは大けがを負って病院へと運ばれる。

セレーネがアトロポスへと向かう。

簡単なキャラクター解説

セレーネ

・ゲーム内で主に操作することになる主人公。惑星アトロポスで探索するうちに死の度に起こるループ現象と遭遇し、ループの謎に迫る中で自らの過去と向き合うことになる。精神疾患持ち。

テイア

・セレーネの母。文武両道の天才で初の宇宙飛行士となる予定だった。事故により脊椎を損傷し両足の機能を失ったことで宇宙飛行士の夢を諦める。自己中心的な性格で、自らのキャリアを断つ切っ掛けとなったセレーネを嫌っている。

セレーネの父

・本名不明。Blue Oyster CultのThe Reaperという曲を気に入っていた。喫煙家でピアノが上手だった。

子供

・実家パートにてセレーネをPS5で操っている、セレーネの子供時代。セレーネの過去についての真実をある程度知っている。

ヘリオス

・セレーネの息子。セレーネが起こした事故によって行方不明となる。セレーネはヘリオスという名前を宇宙船につけている。

リンクする家族

リターナルの世界の中では一部のキャラクターの境が曖昧になっている。これは明らかに意図してこういう描写をしているように思う。

それを象徴しているのが病院に掛けられている額縁。何種類かあるが代表的なものとしてこれには「THE CHILD WATCHES YOU,YOU WATCH THE MOTHER,SHE WATCHES THE CHILD,THE CHILD WATCHES THE CHILD」と書かれている。

直訳すると「子供はあなたを見ている、あなたは母親を見ている、彼女は子供を見ている、子供は子供を見ている

一見するとただのホラー演出だが薄っすらとゲノムのマークがあり、遺伝子とループを象徴するウロボロスの事も示している(病院はウロボロスのマーク)

主人公の名前の由来であるギリシャ神話の女神セレーネは3つの顔を持つという形で表現されることがあり、新月、半月、輝く満月の3つの月相を永遠に繰り返した。
月は3つの「顔」を持ち、それが新しく生まれる三日月のアルテミス(処女・乙女)、満ちる豊穣の月のセレーネー(夫人・成熟した女性・母)、欠けていく暗い月のへカテー(老女)である。

少女は子ども時代のセレーネ。成熟した女性は現在のセレーネ。老女はテイアと当てはめることができる。セレーネはテイアではないが、テイア自身とセレーネ自身がかなり密接にリンクしている。月相を永遠に繰り返す、という部分がこのゲームの根幹を成すループ性を想起させる。

セレーネの家庭環境

セレーネは子供時代について「良い思い出はない」「どうにかなりそうなほど辛かった」と言っている。その家庭環境については実家パートやスカウトログから推測できる。

まず前提として実家パート④&⑤に登場する女の子はセレーネ自身である。女の子がPS5で画面に映るセレーネを操作しているのは自分自身だから。

実家パート④&⑤で女の子が大事にしている「オクト」というぬいぐるみに対して実家パート②でのセレーネが「懐かしい」と語っているため。セレーネはオクトで遊んでいたからよく知っている。

セレーネの家は全体的に母のテイアのものと思われる宇宙関係の絵画や道具が飾られているが、セレーネの自室はもはや病的と言って良いほど宇宙関係のモチーフに埋め尽くされた子供部屋となっている。これは宇宙飛行士であるテイアによる英才教育と思われる。

この行き過ぎた英才教育の結果なのか元からかはわからないがセレーネは宇宙よりも深海に対しての興味が深く、無線機の玩具を使った館長ごっこやタコのオクトとの遊びに夢中になっている。その半面で黒板に描かれた星座を雑に消したり、宇宙飛行士のフィギュアの四肢を適当に曲げて放置する。ダンボールの宇宙船を壊す、など宇宙関係の玩具に関しては愛着を感じられない。

画像引用元:ArtStaition Returnal

ちなみにオクトは色が紫と緑とかなり一般的な”タコ”のイメージとは離れており、テイアによって与えられた宇宙関係の玩具の一つ(火星人?)である可能性が高い。セレーネはそれをタコであると見なして大事にしているものと思われる。無線機とオクト以外に深海関係のものはあまり見えず、そもそも余計なものは与えられないのだろう。

セレーネの父に関する情報は少ないがセレーネから言及されてないため虐待から庇ってもらえてはいない、もしくは事故前後ですでに離婚している可能性がある。

事故による母娘の関係悪化

オカノガン・ワナッチー森林公園で起きた事故によりテイアは宇宙飛行士を諦めざるを得なかった。このキャリアの喪失によるストレスがテイアを大きく歪めてしまっている。テイアは事故時に同乗者(セレーネ)を救出しようとした結果、外傷を悪化させている。この事が母娘の関係を悪化させた最大の要因だろう。

実家パート⑤の女の子(セレーネ)はその自動車事故の後の状態だ。理由はベルトを開け閉めしての「車のは外れなかった」という発言。これは自動車事故でシートベルトを外せなかったことを示している。またその後に「怪物が起きちゃう、隠れなきゃ。潜水艦の入り口を探そう」と話している。これはテイアのことだろう。事故後、テイアは女の子にとって「怪物」となった。

実家パート②においてセレーネは自らの部屋だった二階の子供部屋のドアを開けようとし、「やっぱ無理」と言って手を離している。これは虐待を受けたことから自らの子供部屋に対して強い恐怖心を抱いているからだと思われる。

テイアは病院へと入院しセレーネはそこに何度も見舞っているが罵声を浴びせられるだけで、笑顔や感謝の言葉は一度もなかった。テイアはキャリアを失ったショックから頑なになり、理学療法などを受けるつもりもない。病院側は匙を投げており、最終的には退院させるに至った。

テイアは最終的に地下室で死んだため退院するしかない、と言っている医者の文章とつじつまが合う。

セレーネの父はどういう人物だったのか?

平たく言えば謎。一階のピアノがある部屋は父の部屋で、灰皿などが存在する。セレーネ曰く「ピアノを恐ろしく上手に弾けた」と言われており、音楽家や演奏家だった可能性はある。テイアは夫の好きなBlue Oyster CultのThe Reaperという曲を嫌っている。

ほとんど情報が存在しないことからセレーネから父への印象が薄い可能性は高く、テイアの性格もあって離婚した可能性は高い。それにしては四層ボスが父をイメージさせる存在でヒュペリオンという名前というのが気がかりではあるが。

セレーネは父の弾くピアノを気に入っていたかのような発言をしており、セレーネ自身はThe Reaperを嫌っていない。この曲はいくつかのED曲に使用されている他、通常エンドの車内でも流れている。

セレーネはシングルマザー

通常エンド後に拾える(たぶん)スカウトログにてセレーネは子どもをおろそうかという相談をしている。「立て込んでて」「術後は運転できる?」という言葉からセレーネはキャリアを気にしており、子どもを産むこと自体を疎んでいる。

という内容のログだけ見ると「セレーネは子どもをおろしていた」で終わるのだが、実はシシュポスのログでは最終的に産んだことが示されている。

何のスカウトログか忘れたがシングルマザーになった、とセレーネが発言していた。パートナーと別れた理由は不明だがセレーネはテイアのこともあって精神的に不安定なため、おかしなことではない。付き添いに母は来ないのか、というようなことを問われているが言葉を濁している。

子供は男の子。家族に因んだ名前ということだが、セレーネはテイアが好きではないため、取るとしたら父親の名前か。父親の名前はボス名そのままならヒュペリオン(ハイペリオン)だが、セレーネやテイアはともかくヒュペリオンって人名としてどうなのか。フィクションだからありえるかもしれないが。ヘリオスはヒュペリオンの別名でもあるので、父親から取ったのなら因んだと言える。

避妊薬=シルフィウム?

セレーネの実家イベント(二回目)で玄関の上に置いてある薬を手に取り「しばらく飲んでなかったな…」とセレーネが独りごちるシーンがある。プレイヤー目線から見るとこの時点でセレーネは精神疾患を持っている疑いが強いのでこれは向精神薬だろうと流してしまいがちだが、実はこの薬、拡大すると「silphium」と書いてあるらしい(redditで見つけた)

シルフィウムは言うまでもないがリターナルにおける重要な回復アイテムだ。

実はこのシルフィウムは架空のアイテムではなく実在した幻の薬草が由来となっている。シルフィウムはリターナルとも関連深い古代ギリシャに存在したとされており、史上最古の避妊薬として使われていたという。

もちろん現実にシルフィウムという避妊薬は存在しないのでセレーネが地球で飲んでいた避妊薬はまた別の名前の薬なのだろう。実家イベントで「シルフィウム」とされているのはセレーネの妄想か、あるいはアトロポスによって作られた歪んだ記憶の再現なのだろう。

セレーネが避妊薬を飲んでいたと考えるとセレーネは子どもを望んでいなかった。理由は間違いなくキャリアだ。セレーネは必死に仕事に打ち込んでおり、子どもを周りに知られたくないと考えていた。それでも最終的に産んでいるということは産む理由があったのだろう。個人的に推測できるとしたらテイアからの期待に応えた、というもの。

「テイアからの期待」というのは病院イベントでの「テイアはヘリオスにだけは微笑んでいた」という下りから逆算しての推測となる。テイアは事故によってセレーネに心を開かなくなったがセレーネの子供のヘリオスにだけは微笑んでいた。とするとヘリオスはテイアにとっては望まれた存在だったことになる。セレーネは事故後、心を閉ざしたテイアの期待に縋るためにヘリオスを産んだという可能性はある。しかし、セレーネはヘリオスの良き母親になることはできなかった。

シルフィウム(避妊薬)がリターナルにてセレーネの回復アイテムだというのは非常に興味深い。スーツを回復する……つまり妊娠していない(子供を持たない)状態のセレーネが、セレーネの中では完璧な自分として思い描かれているという証左ではないだろうか。

テイアへの劣等感

セレーネはテイアに対し単純に怒りだけを感じていたわけではなく、劣等感も感じている。その描写はシシュポス内の病院イベントで知れる。テイアは文武両道であらゆる分野に対する優秀な才能を持っていた……という内容が書かれた新聞の切り抜き。あるいはマトリョーシカを見ながら「大きいものに小さいものが食われる」と憎々しげにつぶやいたり。セレーネは明らかにテイアに対して劣等感を抱いている。

また実家パートではアストラからの不採用通知がセレーネに対して届いている。部屋はおそらくテイアの部屋なのだが、テイアは実際に宇宙飛行士に選ばれているため不採用通知が届くとしたらセレーネしかいない。セレーネはテイアが再起不能となった間接的な原因を作った罪悪感もあってテイアの夢を受け継ごうとしているが、能力は大きく劣っている。

1~3面のSHIPLOGではクルーから「母親はセレーネの仕事について何も言ってないの?」という内容があるが、これは4~6面ではセレーネと、空想上のテイアとの対話へと変わっている。この内容から察するにセレーネは母親に自らを認めてほしかったのだろう。しかしそれが叶うことはなかった。

セレーネによるテイアの殺害

テイアは最終的にセレーネによって地下室へ閉じ込められて殺された。殺害の動機は当然、精神的虐待と見て良いだろう。テイアが大けがを負った事故からかなり長期間に渡ってセレーネは精神的に追い詰められてきた。周りに助けを求められず、限界に達したことでセレーネはテイアを殺害したものと思われる。

テイア殺害については実家パートで丁寧に伏線が張られている。実家パート①では地下室のドアに対して「開かないはず」とセレーネが発言する。開かない理由はセレーネが外から鍵を閉めたから。

実家パート③では地下室に向かいながら「母さんなんでしょ? お願いだから!」と声を掛けている。懇願する理由はセレーネに付きまとう宇宙飛行士の正体をテイアだと思っているから。セレーネはテイアに話しかけるときは終始、地下室へと声を掛けている。

そして実家パート⑥では実際に地下室へ行き、放置されていた車椅子を見つける。テイアが死亡した跡を見たセレーネは「何を怯えていたのか。大した人じゃなかったのに」と吐き捨てている。

殺害された時期は事故後、十数年は見ていいかもしれない(ゲーム内で聞くテイアの声は老いてしゃがれている)。セレーネの言葉を信じるならセレーネの息子であるヘリオスとテイアは対面しており、セレーネに向けて笑顔を見せることのないテイアがヘリオスにだけは微笑んだとされている。

ヘリオスが何歳の頃かはわからないが、テイアはヘリオスが生まれた後まで生きていたのは間違いない。

セレーネはテイアに対してはかなり複雑な心境を抱いている。テイアが大けがしたことは「気の毒だった」と言っているし、病院での発言からすると献身的でもあったのだろう。しかしテイアから感謝されることはなく、その変わらない態度によって両者は決別していた。最終的にセレーネは殺害そのものを「悔やんでる」とは言ったが同時に「良い気味」とも言っている。

実家パート①では地下室のドアが内側から閉じられたり、しわがれたテイアの声を耳にしたりとセレーネは常にテイアの影に怯えている。これは精神的虐待と殺害したことへの罪悪感が入り混じってこうした態度となっているのだろう。

セレーネの放火

これはセレーネによるもの。セレーネはこの資料を見ながら「これで自由になれた」と言っている。辛い記憶そのものである家を焼き尽くすことでストレスから解放されようとしたのだろう。「溶けた地球儀」「焦げたピアノの鍵盤」などのアイテム、そして全焼した家のイメージはこの火災の結果。

この火災がテイアの死と同時なのか、あるいはテイアが死んでからの出来事なのかは謎。普通に考えれば地下室で餓死した死体がいればセレーネが疑われるはずだが逮捕されたりしている描写はないため、テイアは火事に巻き込まれて死亡した……と見たほうがセレーネが疑われない理由としては現実味がある(下半身不随の人間が地下室にいることに違和感はあるが、言い出すとキリがないか)

ちなみにセレーネは何かのログを発見した際に「燃やし尽くしてやる」という変わった言葉選びをしているが、これはポエムじゃなくて実際に家を焼いた経験から出てきた言葉だろう。

find out how a cremation allows families to ceebrate loved ones lives wihtout the high costs of a traditional funeral  (病院のポスター)

従来の葬儀のような高額な費用をかけずに、火葬によって家族が愛する人の命を祝うことができる方法を知る。

事故は二回あった?

実は自動車事故は二回起きている。一回目はテイアが運転し、セレーネが同乗していたパターン。この時はテイアが脊椎に大けがを負い、セレーネは奇跡的に無事だった。

これは実家パート②のTV NEWSにて報じられている。

シシュポスで見つかる資料によると二回目では女性1名が重体、児童1名が行方不明となっている。つまり一回目の事故とは結果が大きく異なっている。この資料に記された内容から考えると通常エンドのムービーで起こる事故はこの二回目の事故のことである。

通常エンドで運転しているのはセレーネ。髪色からテイアかとミスリードを誘っているが、実は車内で掛かっている音楽はThe Reaperというテイアが嫌っていた音楽である。セレーネは後部座席に息子のヘリオスを乗せて運転していた。

しかしこの後、ヘリオスの「白い影が見える?」という言葉の後に進路上に宇宙飛行士が出現。慌ててハンドルを切った結果、崖下の湖へと落下した。セレーネはヘリオスに手を伸ばしたが掴むことはできず、最終的には車外に出ている。

この時、車内のヘリオスに向けて「ヘリォォォス!」と叫んでいる。

「you were in an accident you created an accident you were an accident」

あなたは事故に遭った、あなたは事故を起こした、あなたは事故だった

テイアが起こした事故。セレーネが起こした事故。事故がループしていることを示している。

一回目の事故では何があった?

事故が二回あった、という事実を知らないと通常エンドの内容をテイア&セレーネの事故だとミスリードする。一回目の事故ではTV NEWSの伝える通り、テイアは大けがを負いセレーネは無事だった。この時は宇宙飛行士が出現していないはずなので事故の原因は謎である。もしかしたら子供だったセレーネが運転中のテイアの気を引き、それが原因で事故が起こった可能性はあるが。

テイアが下半身不随になったことに対してセレーネは「気の毒だった」とあくまで他人事であり、事故そのものをセレーネが引き起こしたとは考えにくい。

子供(セレーネ)と子供(ヘリオス)の二人

リターナルには二人の子供が登場する。この二人、TPS視点である以上ろくに顔を見せないので区別が難しい。背格好も同じで意図的に隠しているものと思われる。しかし声が少し違ったり、区別できる点はいくつか存在する。

→子供(セレーネ)
実家パート④から登場するPS5で遊んでいた女の子。そもそも男の子じゃないという時点でセレーネの息子ではなく、セレーネにしか知り得ない情報をたくさん知っていることからセレーネの子供の頃だと思われる。単純にセレーネの子供時代というだけではなく、セレーネが忘れていた実家での記憶を覚えている節がある。

宇宙より深海の方が好きで無線機を用いて艦長ごっこをする遊びがお気に入り。これは後の宇宙飛行士やスカウトログにも通ずるものがある。

→子供(ヘリオス)

茶髪か金髪でややロン毛の男の子。見た目からは性別が読み取れないが、声は実家パート⑤で少しだけ登場する男の子の声に似ている。通常エンドのムービーに出ているのがこの子だとするならヘリオスだとしか考えられない。

(苦しそうに)オクト ぼく行かなきゃ ママを助けてあげて 怖くないもん

二度目の事故により行方不明になっており、おそらくは死亡している。苦しそうな理由は溺れているからじゃないだろうか。

髪型?

実は女の子視点で頭部の影を見るとやや尖っていて、子ども時代のセレーネはロン毛ではない。わざわざ3Dモデルが違うところで気づけるようになっている……のか? 

もしくはどうせ影しか映らないのでつるつる坊主なのかもしれない。詳細不明。

セレーネは良い母親だったか?

テイアからのネグレクトを受けて育ったセレーネだが、自分の子に対して良い母親になることはできなかった。病院イベントでは「子どもがほしかったが出来たら辛いことばかり」とこぼしているし、スカウトログでもテイアと似た母親になりつつあることを悟っている。

実家パート②ではセレーネからヘリオスへ留守電が入っており、「もしもしヘリオス、今夜は帰れないの。でもママ、ヘリオスの好きなご飯を冷蔵庫に入れておいたからね」と言っている。セレーネは仕事が忙しくヘリオスを構ってやれていない。声は疲れ切っているが、言葉だけは優しくしようとしている。

通常エンドのムービーを見ると「白い影が見える?」と発言したヘリオスを鬱陶しそうにミラーを傾けて無視しているのが見える。こうした高圧的な態度はまさしくテイアがセレーネに対して取った態度と同じだ。

もちろんテイアとセレーネでは背景が違う。テイアは元から自己中心的だった。セレーネはテイアのネグレクトを受けて育ったし、テイアを見舞っては虐げられる生活の中で一人でヘリオスを育てている。こうした環境の悪さが悪い母親としてのセレーネを作っている。しかしテイアに虐げられたセレーネが今度は息子を虐げる。この悪循環もループの一つである。

病院には「子どもは重荷じゃない」というポスターや「子どもから目を離さないでください」という張り紙がある。これらはセレーネの後悔から映し出されたものだろう。セレーネはヘリオスに愛情を持って接しようと考えていたが、うまくはいかなかった。そんな自分を恥じている。

宇宙飛行士の正体

実家パートなどでセレーネの前に姿を現す宇宙飛行士。この旧型の宇宙服はテイアが着るはずだったのものなのでセレーネは宇宙飛行士の正体をテイアだと思い込んでいた。その理由は「母のキャリアを奪った」「母の命を奪った」という罪悪感から。

また宇宙飛行士に対してセレーネは圧を感じ、自らを追ってきている。支配しようとしているのだという強迫観念を感じている。これはテイアそのものがセレーネにとって畏怖の対象となっているからだ。

しかし真エンドにおいてこの宇宙飛行士の中身はセレーネ自身だったことに気づく。

その意味についてはややこしいからこの記事では省く。

実家パート③でセレーネがテレビに手を突っ込んだ部分は実家パート⑤の子供セレーネがテレビの中に逃げ込むシーンとリンクしている。これを見ると宇宙飛行士=セレーネであることがわかる。が、このシーンの意味自体はよくわからない。

テイアとセレーネの決着

シシュポスの病院イベントで白いポピーを集めていくとテイアとセレーネにまつわる様々な情報を見聞きすることができる。

「Theia and Her Only Child(テイアのたった一人の子ども)」

という本の隣にテイアが書いた文章がある。

内容を掻い摘むと「病状は良くならず、自分は堕ちるところまで堕ちている。死んだら苦しみから解放される」というような内容。セレーネもこれを読んで「死を望んでた?」と言葉を漏らしている。これを素直に受け取るならテイアは何もできない自分に絶望して死を望んでいたことになる。

とはいえ引っかかる部分も多い。まずセレーネがお見舞いに集めているポピーの花言葉は「慰め」「妄想」「夢想家」である。そして渡している白いポピーの花言葉は「眠り」「忘却」「疑惑」「推測」「わが毒」……雲行きが怪しい。ポピーは曰くつきの花であり、贈り物には向かないとされている。

(ちなみにポピーはギリシャ神話との繋がりもある)

「テイアのたった一人の子ども」というタイトルの本がこれ見よがしに置いてあることや遺書じみた内容の紙の事を考えるとこれはテイアを殺したセレーネが都合よくテイアを解釈するための妄想であり、実際の病室にはなかったのではないかと推測できる。

つまり殺害した罪悪感を和らげるための体のよい妄想ではないだろうか。

仮にもしテイアが書いた遺書じみた文が本物でセレーネは現実にそれを見ていたとしても「テイアのたった一人の子ども」なんていう本は現実に存在するはずがない。このイベントで表しているのはセレーネがテイアを「一人の人間」として理解しようとしている、ということだろう。

シシュポスで拾えるスカウトログや病院のイベントではセレーネが必死にテイアを理解しようとしている努力が伺える。もしくは媚びているのかもしれない。

病室のイベントでは化け物となったテイアとセレーネが抱擁を交わしている。

これはセレーネがテイアを赦したいというよりは赦されたい、認められたいというエゴの方が強い。そもそも真エンドではテイアを突き飛ばして「大した人じゃなかった。なぜ怖がっていたのか」などと傲慢に言い放っているので、このセレーネの行動は薄っぺらい気もする。ちなみにこの時取得できるトロフィー名は「虚ろな抱擁」である。

シシュポスの病院イベントのエンディング

シシュポスの病院イベントではテイアの寝ていたベッドにセレーネが横たわり、この青白い空間へとたどり着く。この空間は異形と化したテイアが真エンドで待っていた場所。セレーネは「これで終わり? 母さんがいた場所が空いただけ?」と落胆する。しかしループの恐怖も痛みもない安らいだ場所であり、ここが褒美であるとセレーネは理解して他の大量のセレーネと共に項垂れる。

これだけ見てもサッパリ何のことかわからないが、セレーネはこの選択に自信を持っており、これで前に進めると考えていたものと思われる。しかし実際はテイアが消えただけだった。これは要するにテイアがループの原因ではなくただ単純に長年セレーネが恐怖していた対象であり、抱擁によってテイアを理解したことでその対象が消えたため、テイアが消え、ただその場所のみが残ったものと思われる。

見ればわかるがこのシシュポスエンドを見たセレーネのみが辿り着いたわけではなく、他にも多くのセレーネが辿り着き、同じ結論に至って項垂れている。ループはテイアを倒したり、受け入れることで断ち切ることはできなかった。

最後にアトロポスは存在するのか?

考察するにあたってネットで色々な考察を見てみたけど大概は「アトロポスは存在しない」という前提での考察が多かった。ちょっとでもプレイしたらわかるはずだがアトロポスという惑星が実在しない方が説明が付くことが多いからだ。この記事の内容なんかは特にアトロポスが存在しなくても成り立つはず。精神疾患を患っているセレーネの脳内に展開された架空の世界、と考える方が筋が通ってしまう。

しかしそうなると真エンドにおける宇宙飛行士の存在がノイズとなってくる。真エンドにおいてセレーネは宇宙飛行士の姿となり、地球に現れている。突っ込んできた車に驚いているため実体もある。アトロポスがセレーネの脳内妄想であるとするとこの真エンドの内容が不可解となってくる。

個人的には「惑星アトロポスは存在する」というのがリターナルの考察のスタート地点ではないかと考えている。これは少々メタ的な視点も入っているがアトロポスがセレーネの脳内妄想だとするとあまりにも情報が多すぎる。セレーネとその家族の過去を描くだけならアトロポスの文化、種族と敵、すべての歴史が不必要なものとなってしまう。

かなり複雑怪奇なストーリーゆえに「全て精神世界での出来事でした」は逆にありえない(というか、単純におもしろくない)というのが今回考察して得た結論だった。

画像引用元:ArtStaition Returnal

次の記事はできる限りはアトロポスの歴史について記事にしたいと思います! この記事ほど書けることないかもしれないけどね。しかし複雑なストーリーだなあ。明確な正解に辿り着ける人はいなさそう。そういうストーリーなのがウリなんだろうけども。

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