【原神】カーヴェという男について語らせてくれや!②-キャラクターストーリー-【キャラクター語り】

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オデはゲーミングイエティ! 前回に引き続きカーヴェについて語らせてくれ! あ、あの話する? GIGOの新規イラストの話。

これなんすけど……イイよね。完ぺきだよ……綺麗だよ、カーヴェ……。それはそれとしてニィロウがいつもつけてる角って花神誕祭のための花神をモチーフとした衣装のアクセサリーのはずだしこの場ではそこまで相応しくなくない? これがなくてもニィロウだとわかるはずだからこの場では外してほしかったかなというのがオデの正直な気持ちなんだけども、どう? 

そういう意味ではカーヴェの頭の羽根飾りも他のアクセサリーにしてみてもいいと思う。そこまでキャラクターの衣装を記号的に扱わなくてもファンは別の装いに満足してくれるはずだよ。もっと冒険して、何ならキャラクターに新しい要素を足すことも検討してみてほしい。信用してくれ! オデを!

早口で喋るオタクは信用できません。

アアッ……それはともかく、今回はカーヴェのキャラクターストーリーについて語っていくよ。

足ながっ! 富士山跨げるだろこれ。

前回の記事でも少し触れたんだけど、このカーヴェというキャラクターは原神でもかなり珍しいくらいに凝ったキャラクター設定を内包しているよ。そして実装から間もない(Ver3.6で実装)にも関わらず掘り下げが多くて、その過去や複雑な精神性を細かく説明するストーリーが多い。本筋に関わらないキャラクターでありながら魔神任務やアルハイゼンの伝説任務等と登場回数も多く、誤解を恐れずに言えば「贔屓」されてると言えるキャラクターの一人だよ。

しかし逆に言えば本筋に関わることなく、イベントで主役級の働きをしたことから今後の掘り下げにはあまり期待できない。デートイベントもすでに追加されているし、言うなれば完結したキャラクターである。そうなるとあまりスポットライトが当たることもないし、今後はスメールからフォンテーヌへと舞台を移していくことを考えるとカーヴェを知るきっかけもあまりないんだよね。カーヴェの持つ複雑なストーリーから、特に難解なキャラクターとして流れていくことになると思うんだな。それではあまりに惜しいので、誰が見るということもないかもしれないがオデはカーヴェについて記事でまとめておきたいんだ。

前置きが長くなったけどここからはキャラクターストーリー……つまり原神内で親愛度を上げることで開放されるストーリーテキストに関して掘り下げようと思うよ。というわけでSSを撮影してきたので早速、画像として貼っていきますか。

……いや長すぎるわ! 

というわけであまりに長すぎるしゲーム内のテキストをそのまま貼ってもあまり意味はないので、オデなりに要約して書いていくよ。もちろん同じテキストを読んでも人それぞれ受ける印象は異なると思うのであくまでオデなりの要約だと思って読んでほしいよ。じゃ、やっていきましょう。ちなみに当然だけどキャラクターストーリー、またデートイベント等のネタバレを含んでいるので自力で読みたい人は注意。

目次

キャラクター詳細

教令院妙論派出身のカーヴェはこの数十年で並ぶ者がいないほどの天才建築デザイナーである。高い建築デザイン能力と芸術への造詣の深さからカーヴェはカリスマとして周りから見られ、悩みのない華美な生活を送っていると思われている。しかし実際のところカーヴェは現在破産しており、それを恥じていることから周りには隠して明るく振る舞っているのだった。

カーヴェの教令院在学中の輝かしい成績や本人の容姿・立ち振る舞いは「カリスマ建築デザイナー」としてのアイコンになっているよ。カーヴェ自身はそれについて自らと乖離した印象だと思いつつも、恥や信頼、そしてプライドのためにそうしたカリスマとしての自分を周りに見せ続けているということだね。

ちなみにこれはデートイベントでの情報だけどカーヴェの母親は類まれなる美貌を持っていて、カーヴェはその母親によく似ていると言及されている。この事からカーヴェは中性的な美形であるというのは公式設定としてオデは取り扱っている。実際、キャラクターストーリー等においてもカーヴェは「成功者の恰好をしている」「どの角度から見ても完璧な彫像のよう」という表現をされているし、美しい容姿をしているというのは間違いないと思うよ。オデはカーヴェを美形として扱うけど別に贔屓じゃないということを最初に書いておきます。

ちなみにカーヴェに留まらず原神においてはキャラクターが容姿端麗であるという描写をたまに見かけるので気になる人は探してみると面白いかもしれない。

キャラクターストーリー1

カーヴェの名を知る者にとってもはやその名前は「デザイナー」としてのキャリアの代名詞だ。学院では優れた成績を残し、大手の建築業者に内定した後に数年以内に独立を遂げた。カーヴェはまさに成功者の経歴を辿っている。しかしあくまでそれは他者が抱くイメージでしかない。

カーヴェはデザインの根底には芸術性を置きつつも人文的意義や実用性をおざなりにせず、プロジェクトの大小に関わらず全力で取り組んでいる。類まれなる才能を持ちながら最大限に努力し、自らの時間や体力、時に報酬まで投げうってようやくその才能を世に示すことができた。それがかの有名なアルカサルザライパレスなのだが、人々はその美しさに魅了されそれを造り上げたカーヴェを成功者の見本として見るだけで、彼の内情についてはうかがい知ることはできない。もっとも、その真実を隠し続けているのはカーヴェ自身なのである。

人文的意義」というのは人倫について、つまり道理のこと。まあ要するに人の感情を無視することがない、という意味と捉えていい。つまりカーヴェは仕事をするにあたってデザインの美しさを追い求めながらも、人が困ったり迷惑が掛かったり、何より使い勝手の悪いような建築物を作らないように気を付けているということ。当たり前のようだけど大変なことだよね。実際、我々の現実でも突飛なデザインで目を惹くかわりに使い勝手が悪い建築物・道具なんて山のようにあるわけだし。そうしたことがないようにカーヴェは気を付けている、という意味だね。

しかしカーヴェが心掛けていることは余人からは簡単に悟れることではないため、いわゆる芸術家の軽薄なイメージをカーヴェと重ねている人も少なからずいる、ということ。これはカーヴェにとって幸か不幸か、そうした成功者としての恰好はサマになっているんだよね。端麗な容姿と傷一つない経歴がある種そうした「苦労のない芸術家」らしく彼を演出しているよ。

前回の記事でオデが書いたように実装前のカーヴェのイメージは「明るく天才肌の芸術家」「キザ」だった。この辺りは作中のスメールの人々が思うカーヴェ像そのまんま、というわけだね。しかしそういった印象を抱くことが悪いわけではなく、これはカーヴェのセルフプロデュースの一環なのでそう見えて正解なんだよ。カーヴェは他人に弱みを見せたくないんだね。めんどくさい男だね。

キャラクターストーリー2

カーヴェは典型的な学者家庭に生まれた。父は教令院に勤めており母は妙論派卒業生で今のカーヴェと同じ優秀なデザイナーだった。カーヴェは両親の、特に母の影響を強く受けて幼少期から建築デザインに興味を持っていた。また両親と過ごす日々はカーヴェにとって重要となる「」に対しての価値観を形成させた。

しかしそんな日が長く続くことはなかった。父はカーヴェの言葉に後押しされて学院トーナメントに出場し、カーヴェのために優勝することを誓った。ただ優勝することはできず、どころか学院祭の後に砂漠へと失踪してしまった。その後すぐに砂漠で死亡したという訃報が届いたことで取り残された母子を大きなショックが襲った。

カーヴェの母は愛する夫を失った悲しみから立ち直れず仕事もままならなくなり、笑顔を見せることはなくなった。カーヴェ自身は学院トーナメント出場を促した自らの言葉が父を死に追いやったと思い込み、罪悪感に囚われるようになった。カーヴェ自身の言葉をきっかけに「」は壊れてしまい、戻ることはなくなったのだとカーヴェは信じ込んだ。ふさぎ込んだ生活を続ける母をどれだけ支えてもその思いは増すばかりだった。


カーヴェが教令院に入った頃にカーヴェの母は気分転換のためにフォンテーヌへと赴き、そこで仕事の誘いを受けたことで新たな生活を始めるようになった。カーヴェにとっては喜ばしいことだったがかつての家族は離れ離れになってしまい、カーヴェは深い孤独感に苛まれるようになった。しかしそれも父を死に追いやった自らへの罰としてカーヴェは受け入れるようになり、その歪んだ考えの核として根付いていった。

カーヴェは深い思いやりの心を得た代わりに人を傷つけることを恐れ、常に善行を続けるようになった。そしてそれだけではなくカーヴェは自らが罰を受け続けるべきだと考えており、人からの純粋な好意に応えられなくなっていった。苦しみの中に慰めがある、という考えがカーヴェの心を支配するようになったからだ。

カーヴェの父が死に至った真相はイベント-盛典と慧業-にて語られているのでここでは省略。詳しくは前記事に。

カーヴェの母はカーヴェが教令院へ通うようになったことをきっかけにフォンテーヌに向かうんだけど、この事からカーヴェは孤独になってしまう。母の気が晴れるならと喜んで母を送り出したんだけど、息子であるカーヴェ自身は孤独になってしまったのでさらに考えが悪い方向に向かっていったわけだね。そしてこの時にカーヴェの精神は頑なになってしまって、彼を数年以上苦しめることになる。

イベントの最中、優勝を目指しているのにスナギツネを救おうとし、結果的に砂漠で失神したカーヴェ。この自暴自棄とも言える態度にパイモンが真面目な口調で「お前大丈夫かよ?」と言っていたけど、実際大丈夫じゃないです。もはやここまでくると強迫性障害であり、カーヴェの生々しい「ヤバさ」が伝わってくる。

アルハイゼンからカーヴェへのキャラボイスに出店でウソを教えられて商品を買うカーヴェについて語られるんだけど、カーヴェのキャラクターストーリーを見た後だとかなり印象が変わる。騙されたわけではなくカーヴェは内心では「そんなはずない」とは思いつつももし自らが見過ごしたせいで貧しい子供が食事ができなくなったら? と考えたら買わずにはいられなかったんだろうね。そもそもカーヴェは勉強が出来て賢いので一般的に気づくようなことに本心から騙されることはないはずだよ。もしくは他人に猜疑心を抱くことを後ろめたく思うから、疑わないようにしているのかもしれない。どちらにせよキャラクターストーリー2の内容からわかる通り、原神でも類を見ないほど精神的に病んでいるキャラクターということがわかる。

キャラクターストーリー3

卒業してからのカーヴェは学院の先生や同級生の元で様々なプロジェクトを手伝った。二年間、昼夜を問わず弱音を吐かずに他人のために働き続けた。これらの仕事で経験を積んだカーヴェは独立し、自分のデザインを気に入る顧客を得て事業を始めることとなった。しかしそれは容易な道ではなく、まとまった金を手に入れた代わりにキャリアは停滞を始める。そしてその要因の一つに教令院が変化し、芸術を軽んじられる学術的風潮へと変わっていったことが挙げられる。

アザールを中心とした六大賢者によってそうした風潮は加速し、やがて「芸術は無益」とまで言われる時代に突入していった。当然建築デザイナーであるカーヴェも無関係ではなく、人々のためにより良い形で芸術を追求しようとしても無碍にされるようになった。異論を唱えようにも教令院の影響は強く、仕事をし続けるためには強く反対することもできない。こうして理想と現実の間でカーヴェは苦しむこととなった。

そうして挫折を味わったカーヴェは長い休暇を取るが、この際にフォンテーヌで生活を送っていた母からの連絡を知る。カーヴェの母は残りの人生を託す相手を見つけ、再婚して第二の人生を始めようとしていた。カーヴェは結婚式に出席して心からこれを祝福し、久方ぶりに母の笑顔を見ることができた。しかしスメールに戻ったカーヴェを襲ったのはどうしようもない空虚感だった。母はスメールの財産すべてをカーヴェに残したが、カーヴェはついに孤独になってしまった。

スメールの学術的成果だけを求める風潮についてはスメールの魔神任務で語られたし、同じく芸術に関わっているニィロウの伝説任務などでも描かれている。これは当然、同時期のカーヴェにとって無関係ではなかったわけだ。そしてスメール教令院についての情報が出る度に芸術を排そうという動きは「建築学」や「歴史学」とは矛盾しない? とオデは思っていたんだけど、これらの風潮はアザールらが発端のもので長きにわたってスメールを支配していたわけではないことがわかった。やっぱアザールってクソだわ。

しかし……まあ見れば見るほどにカーヴェの人生についてネットリと掘り下げられていて、個人にまつわる生々しく辛い描写が多い。特に父の死から母の再婚の流れ。なまじ母も辛い時を過ごし、一人の人間としての幸せを求めることは誰も否定できないがために余計にカーヴェは難しい立場に立たされている。こういうリアリティのある苦難は「幼い頃に村が焼かれた」「自分をかばって師匠が殺された」みたいなキャラクターの悲しい過去よりも我々の苦しみに近いから共感できちゃうよね。そういう意味ではカーヴェの過去が全キャラクター中一番つらく感じるよ。

キャラクターストーリー4

建築業界の現状に不満を募らせていたカーヴェだったが、大富豪サングマハベイから依頼が舞い込んだことで転機が訪れる。依頼は「広く、豪華」であること以外の条件を求めずに豪邸を造ることだった。サングマハベイは社会的現状には関心がなく、カーヴェが芸術を追求することに対しても反対することはない。これはカーヴェにとっては滅多にない最高の依頼だった。

カーヴェのモチベーションはかつてないほどに高まった。徹夜で設計図を描き、想像の赴くまま、それでいてデザインと実用性を兼ね備えた豪邸・アルカサルザライパレスを考えた。崖の上というロケーション自体は依頼人であるサングマハベイが危険視して止めたが、カーヴェは依頼人を説得して建築を始めた。大がかりな建築はカーヴェの監督の元、着実に進んでいったもののその年に増大した死域によって一夜にしてすべて瓦礫の山に変えられてしまった。


憤慨したサングマハベイはカーヴェをプロジェクトから下ろそうとしたがせめて完成まで漕ぎつかせてほしいとカーヴェは嘆願した。しかしロケーションを積極的に選んだのはサングマハベイではなくカーヴェであり、その責任は重い。そして仮に工事を続けるとしても建て直しのための費用は誰が出すのか。理想を追求したカーヴェはついにこうした現実的な問題を突き付けられてしまった。

廃墟となったアルカサルザライパレスでカーヴェは一晩中考えた。自らが持っている財産と母から譲り受けた家はカーヴェの資産だ。しかし家族のいなくなった「」はただの抜け殻でしかない。カーヴェは自らの理想を追求するために家族と暮らした家を売り払い、自分の財産すべてをアルカサルザライパレスの再建築のために充てた。そして見事にカーヴェの代表作である伝説的な宮殿が完成したが、カーヴェ自身は一モラたりとも得するどころか建築費用のためにサングマハベイへと膨大な借金を作ることになった。そして家を失ったカーヴェはついに帰る場所さえも失ったのである。

これ本当に要約してんの? みたいな文章量になるのはしょうがない。実際の原神キャラストーリーは改行もなくズラ~ッとテキストが羅列されてるので。文字数をカウントする気はないけど相当な量になると思いますね。

このキャラクターストーリー4はアルカサルザライパレス完成の話で、やっぱり全体的には暗い話なんだけどカーヴェが一つの光明を自分のために見つけた話にもなっている。教令院の風潮に支配されて鬱屈とした中で理想の形を追い求め、自らの全てを犠牲にしてでも美しい理想を見出したカーヴェの偉大なる一歩なのだ。もちろん文字通り全てを犠牲にしたので借金まみれで家なき子になってしまうわけですが。

本筋ではないので省いたけどサングマハベイ様はカーヴェが自らの理想のためにアルカサルザライパレスを造り出したことを理解していて、それを無理に止めはしなかったんだよね。もちろんサングマハベイ様……ドリーの胸中はうかがい知れないんだけど、ここでカーヴェを止めなかったことに一人の大人としての格好よさが詰まっていると思う。まあ、結局タダで宮殿を造れたことになるので得をしたってのもあるだろうけど。カーヴェとドリーの会話はカーヴェのデートイベントで少し見られたけど、もう少し見てみたいものだ。

キャラクターストーリー5

アルカサルザライパレスの完成は様々なことで落ち込んでいたカーヴェの心をわずかに照らしてくれたものの、カーヴェの生活は苦しくなってしまった。カーヴェは酒に溺れるようになりランバドの酒場に居つくようになった。ランバドの好意で席と飲み物を用意してもらい、学友に会った時は仕事をしているフリをする。そんな生活が半月経った頃、カーヴェは偶然酒場に来たアルハイゼンと数年ぶりの再会を果たす。

カーヴェとアルハイゼンはかつて教令院にて出会い、お互いの才能を認め合い友人関係となった。しかしカーヴェとアルハイゼンは何から何まで真逆の人間でありやがて決別するのも時間の問題だった。その事実を露わにしたのが二人の共同研究であり、当初はアルハイゼンとカーヴェを中心にたくさんの学生が参加していたがやがて二人の才能についていくことができずに脱落していった。


カーヴェはこれに対しできる限り自らを犠牲にしてでも他の学生を助けようとした。一方でアルハイゼンは個人の能力には埋められない差があり、一時しのぎの手助けでは何も変えられないと切り捨てた。最終的には突出した才能を持つ二人だけがプロジェクトに残り、この事が切っ掛けで積もりに積もった怒りが爆発し、カーヴェはアルハイゼンを強く責め立てた。

アルハイゼンの能力を以てすれば多くの学生を助けることができた、というカーヴェの言葉に対してアルハイゼンはカーヴェの欠点を端的に指摘した。曰く「カーヴェの行き過ぎた理想主義は現実逃避の一種に他ならず、その根底にはカーヴェ自身が抱いている罪悪感がある」と。カーヴェは自らの核心を突かれたことに深いショックを受けて傷つき、賢すぎるアルハイゼンと友人になったことを後悔したと言い放ち、道を分かつことを決めた。
カーヴェとアルハイゼンの共同研究は特に評価され研究場所や資源を特別に提供されたが最終的にこの二人がすれ違ったことで研究は中止となった。


そして数年後、酒場にてカーヴェとアルハイゼンは再会を果たした。自らの内面を他人に見せることのないカーヴェだが、すでに関係が破綻しているアルハイゼンだからこそと思い胸の内を明かすことにした。それを受けたアルハイゼンはカーヴェを見透かしたようにカーヴェの理想の行方について問いかけた。

この再会がきっかけでカーヴェはアルハイゼンの家に転がり込んで居候することになった。この家は元々は二人の共同研究によって生まれたものであり、カーヴェが放棄していなければ家となることもなかった。カーヴェは肩身が狭いために家事の手伝いを引き受けると言い、結果すべての雑事を引き受けることになった。

要約してもクソなげえことがスクロールを見て察せられるはずです。改行しろ改行! 変なオッサンのブログくらい改行しろ! ……一般的なキャラストならいいんだけど、カーヴェはありえないくらい長いんだよ! ちなみに初期キャラほどキャラストが短くまとまっているから比べてみると楽しいです。

このキャラクターストーリー5はアルハイゼンとの関係を示すものでアルハイゼン側のキャラクターストーリー4と対になっている。誰かに対して攻撃性をむき出しにできないカーヴェは唯一、自分と真逆の存在であるアルハイゼンに対しては真っ当に怒ることができる。そしてアルハイゼンはカーヴェの心の奥底を見透かしているからこそ、カーヴェはアルハイゼンに対して隠し事をする意味がないのだ。この二人は「鏡の表裏」と表現されていて、同じように類まれなる才能を持ちつつもお互いが全く違う方向を向いている。お互いに依存しているわけではなくそれぞれが自立した人間なんだけど、相手に自分の中にないものを見ているんだね。

結局カーヴェってどんなやつなんだよ?

ここからはカーヴェがどういうキャラクターなのか、いくつかの疑問に対してオデなりの解釈を書いていく。ちなみにキャラクターストーリーには他に「古い絵日記」「神の目」の項目があるんだけど、要約して書きにくい形式だし情報的には上述したキャラクターストーリーと被っている部分も多いので今回は省くことにするわよ。

周囲から見たカーヴェ

再三書いてきているからもはや言うまでもないけど他人から見たカーヴェはまごうこと無き「成功者」である。教令院妙論派の代表で輝かしい才能を持ち、卒業後は独立してアルカサルザライパレスやオルモス港改築に携わった。美しい建造物の印象とその目立ちようと相まってカーヴェは実力に見合った華やかな生活を送っている……と思われている。

これらは実のところ全て間違いなんだけどカーヴェが「成功者」の恰好をしているのは事実で、カーヴェ自身が人に弱みを見せたくないがために真実を語ることはない。これはカーヴェの心の壁が厚いからというよりは生来の「強がり」「ええ恰好しい」によるものだろう。もちろんカーヴェの仕事のためのブランドイメージを保つ役割もあり、あながち全てが無意味な虚飾というわけではない。

あとは学生にとってカーヴェが伝説的な人物であることは嘘でもなんでもなく、学業においてカーヴェは常に特筆すべき結果を残している。才能にあふれたカーヴェは他の学生を手助けすることもできるし、学業に関して余裕のある態度だったのは事実だろう。もちろん他人を手助けするために余計な苦労をしているのは確かだが、学生から見たカーヴェは間違いなく妙論派の星。カリスマあふれる人物なのである。

カーヴェの心の傷

カーヴェが常に苦境に立たされているのは何も運が悪いだけではない。カーヴェは幼い頃に父へ学院トーナメント出場を促し、その結果として父はトーナメント終了後に砂漠へと失踪、後に事故で死亡した。カーヴェは父がトーナメントで優勝できなかったことから自信を無くし、失踪したというふうに考えるようになったため、自らの言葉で父は死に追いやられたのだという罪悪感を抱くようになった。それは敬愛する母が塞ぎこんだことからも加速し、尽きることのない自責の念がカーヴェを大きく変えてしまった。

他人が傷つかないように思いやることは大事だがカーヴェの場合はそれが行き過ぎており、人が傷つかないためならば自分をどれだけ犠牲にしても良いと考えている。そして逆に人に思いやられる資格はないのだと頑なに考えているのだ。もちろん賢く、自分を省みることができるカーヴェはその問題に対して自覚的なのだが苦しみの中にこそ慰めがある、という歪な考え方のせいで抜け出せなくなっている。

この心の傷は深く、アルハイゼンによって指摘された後も変わらなかったが親しい友人(ティナリやセノ、旅人)との交友によって周りからの助けを徐々に受けられるようになり、少しは負担が軽くなっているように見える。またイベント-盛典と慧業-において自らの父がサーチェンという人物の影響でおかしくなったということが分かり、サーチェンによる影響の連鎖をカーヴェ自身が断ったことで一つのしこりが解消された。

カーヴェの共感性

カーヴェは多くの物事に対して行き過ぎたと言えるほどの思いやり、つまり「共感性」を抱く人物だ。自らの労力と能力を割いて誰かを幸せにしたいとカーヴェは常に考えている。こうした天才性とそぐわない理念を持つ者は少なく、カーヴェの父やカーヴェが学院トーナメントにおいてサーチェンに目をつけられる要因となっている。

しかしながらこの共感性は必ずしもカーヴェを群衆に引き入れることはない。むしろ皮肉なことにカーヴェによって助けられた他の学生はカーヴェによって後押しされた自らの現状と、本来の能力の差にショックを受けて退いていってしまう。つまりカーヴェがどれだけ群衆に寄り添おうとしても現実は甘くなく、うまくいくことは少ないのだ。

こうした共感性の根底にあるのは善意だけではない。この共感性はカーヴェ本来の性格と前述した過去の心の傷から来る罪悪感、そして何よりも家族を失ったことによる孤独感から来ている。カーヴェは天才でありながら群衆に憧れ、のけ者にされることを恐れているのだ。

アルハイゼンとの関係

これはちょっと皮肉っぽいけど

現行のストーリーを見る限りだと上下関係がハッキリしすぎていて読み取りにくいが、カーヴェとアルハイゼンはお互いの能力を認め合った友人同士。分野こそ違えど二人は同等の力を持つ天才である。それは二人のキャラクターストーリーやアルハイゼンの素直な評価を見ればわかる。しかし考え方はまるっきり真逆であり、特に才能に対する考えが二人を大きく隔てている。

カーヴェは個人の才能の差はあれど知恵は共同で開発されるべきだという考えを持ち、アルハイゼンは群衆と天才は現実的な要因で分かたれると明言していた。カーヴェはアルハイゼンの言葉を薄々理解しつつも頑なに己の考えを捨てることなく、その結果として二人の共同研究は破綻の一途を辿った。カーヴェのキャラクターストーリーを見ればわかるようにカーヴェは当時の考えを「理想主義的」すぎたと省みており、一部的にはアルハイゼンの言うことが正しかったのだと認めている。

とはいえ、その後もそれ以外の考え方までカーヴェとアルハイゼンはまるっきり違うので今でも対立しては口論をしているのだった。

カーヴェの理想とは?

カーヴェにとって理想とは追い求め続けるもので容易にたどり着けるものではない。時に重い代償を払い、苦痛の上に成り立つものこそが理想だとカーヴェは考えている。カーヴェはアルカサルザライパレス建設の折に自らの心に触れ、家族を失った家を財産へと変えることで理想の建築であるアルカサルザライパレスを造り出した。代償は重く未だにカーヴェの生活を苦しめているが、紛れもなくアルカサルザライパレスはカーヴェの誇りである。

というわけで今回はカーヴェのキャラクターストーリーに関しての記事でした。あー長かった。眠いからもう雪山に帰ろっと。

オデは原神の全キャラを持っていて、熟知しているとまでは言わないまでもキャラストにはざっと目を通している。その中でもカーヴェは一・二を争うくらいに複雑な精神性をしたキャラクターだと思う。そんで前回の記事にも書いたようにあまりにも複雑すぎてよくわからない、あるいは表面的な要素しか捉えにくいキャラクターに仕上がっていると思うので今回も前回に引き続きちょろっとまとめてみました。

キャラクターストーリーが長すぎて「読めねぇ!」ってなること請け合いなんだけど、キャラクターストーリーとデートイベントの二つの掘り下げがあればカーヴェのことをよく知れると思うので一人でも多くのプレイヤーにカーヴェのことを知ってほしいよね。娯楽なんだからあんなクソなげ~キャラスト読まなくて「顔が良い!」で当然オーケーだけどせっかく凝ったキャラクターストーリーがあるんだから一人でも多くのプレイヤーに知られると良いな~とオデは思ってます。

ちなみにオデはカーヴェのキャラボイスの「…わかったよ」が好きです。この言い方は完全に心を許した友人に対する言い方だからね。今後どれだけ掘り下げられたとしてもカーヴェの問題は簡単に解決することないとは思う。それとは別にティナリ、セノ、アルハイゼン、そして旅人のようなカーヴェに近しい友人が増えればカーヴェの人生も豊かになっていくんじゃないかな。旅人に対するキャラボイスではそうした兆しが見えるのでぜひ聞いてもらいたいね。

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